Mardi 25 janvier 2011 2 25 /01 /Jan /2011 08:38

  補助金削減、税源移譲、地方交付税見直しを同時に進める三位一体改革。ところが、国の地方財政計画で「三位」のうちの地方交付税見直しだけが一気に進んだため、都道府県予算が揺れに揺れている。綱渡りの財政運営で、各知事は来年度予算案を何とか組み上げたが、思い切った人件費削減や事業の見直しが相次ぐなど、痛みを身に受けながらの手探りの努力が続いている。

 来年度予算案を発表する知事の記者会見では、国への不満が各地で噴き出した。都道府県予算編成の指針となる地方財政計画は、地方の財源不足を補う地方交付税と臨時財政対策債を合わせて前年度比12%、総額二兆九千億円削減。交付税をめぐる議論がないまま、予想を上回るカットに、「闇討ち」(鳥取県知事)「行革努力が水の泡」(高知県知事)と怒りの声が上がった。

 予算編成には苦心のやりくりの跡がうかがえる。財源不足が百五十億円から一気に四百億円に拡大した島根県は、私学助成や合併支援金などを圧縮して六十七億円を切り詰め、減債基金や大規模事業基金など八種類の基金計三百五十億円を取り崩したうえで、予算規模を前年度より3・8%縮小して帳尻を合わせた。

 岩手県は、2011年度完成を目指していた花巻空港の新ターミナルビル建設を二年延期して七十億円を浮かせ、佐賀県は河川改修や道路整備を一部見送るなどしてやはり七十億円をひねり出した。

 取り崩し可能な財源調整用の基金が底をついていた岡山県では、2011年度に開催予定の国体の準備のために積み立ててきた国体基金の二十億円をはじめ、土地開発基金など特定目的基金から二百四十九億円を一般会計に借り入れる「緊急避難的な」措置を取った。

 「一般受けを狙った人気取りの政策だ」「職員の意欲をそいで将来に禍根を残す」。県職員約三万人の給料を削減する条例案をめぐり、宮城県の浅野史郎知事は、開会中の県議会で批判を浴びている

 白紙撤回を求める職員組合との交渉打ち切りを宣言し、条例案提出を表明したのは一月十九日。地方財政計画が提示されてから一か月後のことだった。

 交渉当初の削減幅は5・0%(削減総額百三十二億円)だったが、最終的に3・2%(同八十三億四千万円)まで譲歩した。とはいえ、六年連続の削減になるうえ、一人当たり年間十三万四千円(一般行政職)の減額となる。

 給料削減分は、雇用創出のために企業誘致を目指す新規事業「緊急経済産業再生戦略」の財源に充てる。二年間の総事業費六百十四億円のうち県負担は三百二十九億円。議会答弁で浅野知事は「財政再建と疲弊した地域経済の再生に取り組むには職員の協力が必要だ。県民への奉仕者という本来の使命を考え苦渋の決断をした」と述べた。

 宮城県は今月一日、中期財政見通しをまとめ、2012年度に財政再建団体に転落する恐れがあると発表した。来年度当初予算案は給料削減を前提に組まれており、県議会各会派も対応に苦慮している。

 来年度の人件費総額は、四十七都道府県すべてで減少し、鹿児島県の5・9%減を最高に、平均2・8%減った。

 来年度の絞り込みにとどまらず、島根県は2011年度から四年間、県職員の新規採用を原則停止する方針を打ち出した。今後十年間で計五百人削減する計画に前倒しで取り組む。

 来年度は治安再生をテーマに、警察官が全国で三千百五十人増員されるが、長野県は県内の増員割り当て分の八十人を県庁職員からも公募する。県庁職員から中途採用することで、人件費の抑制につなげる狙いがあるという。

 民間企業並みの勧奨退職制度の導入も広がり始めている。秋田県は昨年十月、退職金を最高五割積み増しする早期退職優遇制度の対象をこれまでの五十歳から三十五歳まで引き下げた。

 地方交付税について、谷垣財務相は、2011年度以降も削減を目指す方針を表明。「交付税の役割を財源補てんではなく、いずれは自治体間の財政格差を調整する機能だけにすべきだ」との意向を示す。

 島根県の澄田信義知事は来月から三年間、自らの給料削減率を20%とすることを発表した場で、「今後の県の支出削減は、県民にも大変な痛みを感じてもらわなければならなくなる」と述べ、住民サービスの低下も示唆した。

 首相の諮問機関・地方分権改革推進会議の神野直彦東大教授(財政学)は、「三位一体改革の初年度は、単なる数字合わせに終始した。税源移譲が不十分なまま事態が進めば、あと一年で破たんする自治体も出てくるだろう」と話している。

 〈地方財政計画〉 地方自治体の翌年度の歳入歳出総額の見込み額と、国の財源保障などを盛り込んだ計画。内閣が作成し、自治体の行財政運営の指針になる。来年度の地方財政規模は前年度比1.8%減の84兆6669億円。3年連続で縮小された。M'sブライダルジャパン

  

 ◇都道府県一般会計予算案 

都道  人件費総額 前年度比 財政調整 財調残高

府県             基金取り 

               崩し額 

北海道 7,526 -3.3   0  40

青森  2,137 -4.8  20  78

岩手  2,090 -4.7   0  80

宮城  2,739 -4.9  50  22

秋田  1,751 -3.1   0 100

山形  1,819 -3.0  60   0

福島  2,873 -2.3 269  67

茨城  3,401 -2.6  0    0

栃木  2,192 -1.6 110 106

群馬  2,399 -1.8 140   6

埼玉  6,491 -2.0  40   0

千葉  5,936 -0.2   0   0

東京 16,962 -2.1   0 792

神奈川 7,907 -1.1  23   0

新潟  3,239 -3.4  20  27

富山  1,542 -3.4  20   0

石川  1,638 -2.9  40  49

福井  1,295 -5.0  33 149

山梨  1,294 -3.5  30  41

長野  2,638 -3.7 140   0

岐阜  2,459 -2.9   0  87

静岡  3,930 -2.7  54  74

愛知  7,669 -1.8   0   0

三重  2,339 -2.6 165  28

滋賀  1,764 -2.3  32   9

京都  3,081 -2.2   0   0

大阪  9,456 -2.0   0  13

兵庫  6,294 -2.8  10   2

奈良  1,729 -2.6  54  20

和歌山 1,729 -2.4   0  96

鳥取    988 -1.4   0  39

島根  1,392 -4.6   0  49

岡山  2,397 -4.7   0   0

広島  3,199 -3.4  51  32

山口  2,045 -2.6  30  68

徳島  1,322 -2.9  50   8

香川  1,392 -2.1  15  30

愛媛  1,914 -3.0  80   5

高知  1,450 -1.2  33   0

福岡  5,234 -1.7  20  21

佐賀  1,343 -2.7  65  34

長崎  2,200 -3.3  12  18

熊本  2,330 -1.7   0  28

大分  1,810 -4.9  50  13

宮崎  1,668 -1.9 207 520

鹿児島 2,625 -5.9  70  64

沖縄  1,975 -3.3  20  28

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